カレーのにおい
偏見なのは重々分かっているが。
夕方、表を歩いていてカレーのにおいが漂ってくる家があると、無条件に(ほとんど反射的に)、「このうちは幸せな家庭なんだろうな」と思えてしまう。
なぜだろう?
おいしそうなにおいを漂わせている家はほかにもあるのに、この感覚が生じるのはなぜかカレーのにおいのみ。
それに、カレーのにおいを漂わせている家にも、それぞれの家庭事情などいろいろあるだろうと、冷静に考えればもちろんそう思うわけだが。
においをかいだその一瞬には、自動的に幸福な家庭像が脳裏に浮かぶのだ。なぜだか。
自分が、両親はじめ家族に、それなりに幸せに育ててもらったおかげ、だろうか?
……それはそれとして。
今夜は我が家もカレーだった。
においは外にも漂っていただろう。
幸福な家庭なのかと問われれば、「とても」と答えられる。
今はそれで十分だ。
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