2009年11月27日 (金)

個人的読書メモ

Todai4最近読んだ本。

『こんな日本でよかったね 構造主義的日本論』(内田樹/文春文庫)
私は村上春樹作品は全然だめなのだが(生理的に受け付けないのだ)、内田氏の著作は結構好きで、何冊も読んでるなあ。
内田氏の論は池田清彦氏の主張との類似性を感じることがままあるのだが(両者とも構造主義に関わっているからというだけではなく)、自分が感覚的に寄り添えるのは、池田氏のほうかも。(よりアブない人って言われそうだ(苦笑)。でもそんなことないですよ。私は無害な人です)

『人間は考えても無駄である ツチヤの変客万来』(土屋賢二/講談社文庫)
科学者や文学者の友人との対談集。面白かったけど、もうちょっと突っ込んだ話が聞きたかったなあ。「お、きたきた……、そう、そういうことをもっと突っ込んで話して!」と思うとスルッと違う方向へいってしまうばかりで、ややストレスが溜まるというか、物足りなさが気になるというか。
まあしかし、土屋氏の素顔や意外な一面などが垣間見えて楽しかった。普段は韜晦しまくってて(さすが哲学者と言うべき?)、知りたくてもなかなか素顔を見せない感じがあるから……。

『貧相ですが、何か?』(土屋賢二/文春文庫)
いつもどおりで安心。すばらしきかなマンネリ。これが読みたくて読んでるのだから、これでいいのだ。
と言うか、理由は分からないが、ここ数冊の土屋氏のエッセイ集より面白くなっていた。何となく得した気分でうれしい。
ただ、申し訳ないけど、あの解説は要らない。恐ろしいほどつまらなかった。うっかり読んでしまったら30円分くらい損した気がした。名人の芸風を真似するのって、ものすごーく難しいことだと思うんですよ。

『怒らないこと』(アルボムッレ・スマナサーラ/サンガ新書)
はい……努力します。と言いたくなる。だってやっぱり幸せに生きたいし。
三章までは、なんだかもにょもにょした。分かるような分からないような……、納得いくけど、でもやっぱり納得いかないような……と。
だが、そこまでを踏まえての四章が、この本のキモなんだろうな。四章を読んだら、実践できる部分から実践していってみようか、という気になった。

『奇想の江戸挿絵』(辻惟雄/集英社新書ヴィジュアル版)
PCデスクの横に置いて、起動までのあいだや、仕事に飽きたときなどに、一項目ずつとか、ちびちびと読んでいた。
それにしても、なるほど。江戸期の画家たちが、いかに“表現”について新奇を競い、工夫を凝らしていたかが分かる。
もともと日本画の伝統と現代のマンガ表現のあいだには地続き感を感じていたのだが、挿絵をあいだに挟むと、まさに無理なくスッとつながる。
時とともに知識や技術はある程度進むけれど、人間そのものは百年千年単位ではほとんど変わらない――と言うが、どうも確かにそうらしいなあ……などとも納得する気分に。

| | コメント (0)

2009年10月29日 (木)

個人的読書メモ

Uedajoisihi最近読んだ本。

『もしもソクラテスに口説かれたら ―愛について・自己について』(土屋賢二/岩波書店[双書 哲学塾])
大学でのゼミの記録を本にしたもの(なので口語体)。私もゼミに加わりたい!と思ってしまった。

『養老孟司の人間科学講義』(養老孟司/ちくま学芸文庫)
これはいい。濃密で、まとまっていて。

『誤読日記』(斎藤美奈子/文春文庫)
一七五冊もネタになっていると、いくつかは自分も買って読んだ本がある。逆に、この本を読んで改めて読んでみたいと思ったのは『親子でめざせ! ノーベル賞』(石田寅夫/化学同人)。本当にこの書評に書かれているような内容なのか確認したい気がする(笑)。

『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』(内田樹/講談社文庫)
いつもながら、内田氏はきっと人間が好きなんだろうなあと思う。
面白いデータやエピソードが満載で、考えさせられた。

『頑固力 ブレないリーダー哲学』(岡田彰布/角川SSC新書)
なぜ今ごろ岡田元監督の本、というのはともかく。そうかー、こういうことを考えながら指揮を執っていたのかあ、と、感慨深く振り返った。

| | コメント (0)

2009年9月13日 (日)

ひそかに“…まつり”

Komorojo利用しているネット書店のマイページをチェックしたら。
え、なになに……今月はかまたきみこさんの新刊がまとめて出るの!?
珍しい~。
去年の秋は複数版元横断(かつ公認)で「遠藤淑子まつり」なんてものをやってたわけだけど(これも珍しいことだった)、今年の秋は(ファンはひそかに)「かまたきみこまつり」ですか(笑)。


ところで、読みかけの本がたくさんたまってしまった(汗)。
机の周りを見まわすだけでも×冊ある。
あーあ……。
一週間くらい、何もない場所で本だけ読んで過ごしたい。
それか、一日が私だけ五〇時間になるとか。(また言ってるよこの人……)

| | コメント (0)

2009年8月12日 (水)

読んだものいくつか

Animal久々に個人的読書メモ。
(しばらくここに書くのを忘れていた)

『物理学に生きて』(W.ハイゼンベルクほか・青木薫 訳/ちくま学芸文庫)
解説まで丸ごと読んで面白い本。科学者と社会的責任の話は考えさせられた。(現代物理学の詳細部分は、私には全く分からなかったが)

『擬似科学入門』(池内了/岩波新書)
分かりやすく概観されていて、参考にはなる。
自分が人に勧めるときには、科学リテラシーやメディアリテラシーや統計学の入門的な文献なども併せて読むように勧めるかな。
さらに、人間の行動学や心理学的な側面も押さえられれば、擬似科学と現代社会の関係を全体的に捉えるのに役立つだろう。
……それってつまり、何かを全体的に理解しようとする場合、周辺部分についてもざっと知識を仕入れないとダメなんだってことだよな。手抜きはいけないのか。そうか……。

『〔愛蔵版〕鉄錆廃園 1~4巻』(華不魅/新書館)
懐かしい。今読んでも面白かった!
でも、二転三転する人間関係と、次々判明していく新たな事実と、一人でいくつもの姿と名前を持つソダイに翻弄されて、話についていくのにやや必死(汗)。
しかしすごいなあ。これだけストーリー世界を広げまくっておいて、でも最後はきちんと収めるなんて。伏線の張り方と回収のし具合も見事で、感心するばかり。私にはこういう才能はない……(涙)。
後半を知らなくて、今回初めて読んだのだが……そうか、カラとシューサーは一応(一応?)ハッピーエンドだったのか。うんうん、よかった♪

それと、雑誌『考える人』(新潮社)。最新号の特集、面白い。
福岡伸一さんと養老孟司さんの対談なんか、ことに楽しい。(あ、『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一/講談社現代新書)がまだ積ん読してある……読まなきゃ/汗)

| | コメント (0)

2009年3月11日 (水)

改めて胸に誓う

Yellow新作の構想を練ろうと思ってつらつら妄想していたら。
なぜだかいきなり安房直子さんの『ふしぎな文房具屋』のラストシーンを思い出した。

あれ、すごいよなあ……。
すごい。
それ以外、何と言えばいいのか分からない。

安房さんは間違いなく天才だった!

彼女のようにはなれないけれど。
でも。
私も、私にしか書けないものを書くぞ!

と、改めて胸に誓う春の日。

| | コメント (0)

2009年3月 1日 (日)

『月光』一気読み

Choshoku1那州雪絵さんのマンガ『月光 1・2』(白泉社文庫)を読んだ。
発売直後に買ったまま、なかなか読む機会がなくて置いてあったのを、ついに一気読み。
なにせ、この作品は一気読みしないとダメだと思う。
なので、一気読み。
未読の方にも、たとえ一晩かかっても一気読みがオススメです、と言おう。(そう、一晩かかった)

内容は、まあ読んでもらうほかないとして。
結末に関しては、私は異論はない。この歳になって読むと、ナチュラルにあれで納得する。

思春期に読んだら、どうなんだろうなあ……?

単行本は集めなかったので、まとめて読むのは今回が初めてだ。
雑誌連載は一応読んでいたはずなのだが、当時はあまり一生懸命話を追っていなかったので、今回読んで「そうか、こういう話だったのか」と。

ある意味、群像劇にもなっているのが、いい。
数多い登場人物たちの中でも、シファカについてもっと掘り下げた番外編が読んでみたいと思った。
ま、それは多分に個人的好みだが。
いやあ、ロリスもいいんだけど、やはりどこかちょっと危なっかしいところが垣間見える人のほうが気になる(笑)。

| | コメント (0)

2009年1月 7日 (水)

このまま映画が撮れそうな

Greenそんなことは今さら私が言うまでもないのだが。
高野文子さんはある種の天才!
それは確かなことだと思う。

例えば、先日、書庫の片づけをしたときに『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』(高野文子/マガジンハウス/=一九九八年発行の復刻版)を見つけたので、部屋に持ってきて久々に読み返した。
で。
このコマ割りというか、表現……、真似できる人はほかに誰もいないだろうなあと感動した。
これを絵コンテにして、このまま映画が撮れそうだ。

それにしても、主役のラッキーよりも、ちょっと厭世入っている“お嬢さま”のキャラクターがすごく気になる。
……気になる。

大学時代に高野さんのマンガと出逢って、夢中で本を集めたことなんかも思い出して、ちょっと懐かしくなってみたり。

| | コメント (0)

2008年12月24日 (水)

風邪ひきのつぶやき

Seal久々に風邪をひいた(先週末から)。
この冬初めてだ。

きのうまではスケジュールぎちぎちだったので、とりあえず薬で症状を抑えて動いていたのだが、きょうは少し余裕があるので、原稿一本書いたらひとまず寝ようかな、と思ったりしている。
正直、体はツライので。

一方、精神面もやや微妙(かも)。
そもそも、クリスマスって何ですか。
……わが家は真言宗だからどっちでもいいんだが。
でもなぁ……気分ってものがあるでしょうよ。

と、愚痴っぽくなっては、今ある幸福も逃げそうだ。
いかんいかん。
茂木健一郎さんが訳した自己啓発書(って、胡散臭いのか信用できるのか、今イチ評価に悩む/苦笑)『「脳にいいこと」だけをやりなさい!』(マーシー・シャイモフ/著、茂木健一郎/訳、三笠書房)を読んで、試しに、幸福な人になるための訓練でもしてみよう。

| | コメント (0)

2008年12月16日 (火)

抜群に面白い!『宇津木魂』

Hirunotsuki我らがトラの金本選手の著書『覚悟のすすめ』(金本知憲/角川oneテーマ21)が、想像以上に面白かった。
で、たまたまそのあと、同じころに買って置いてあった『宇津木魂』(宇津木妙子/文春新書)を手にしたら。
これがまた抜群に面白い!
すっかりのめり込んで、夢中で読んでしまった。

この感じは、なんだろうか……まあ、読んでもらうのが一番早いのだが、要するに、二冊とも、著者自身の人間力に引きつけられたのだと思う。
加えて『宇津木魂』は、へたなドラマなんかよりずっと真剣にドキドキしつつ展開を追ってしまう宇津木妙子さんの人生そのものが、物語としてもものすごい力を持っていると感じた。

当人がここまでやりきれる人だったから、これはなるほど、(表向きは)どんなに厳しく接しても選手たちがついていったはずだ、信頼したはずだ、とうなずける。
彼女の語る言葉の一つ一つに、大きな説得力がある。
稀有な人だ。
が、凡庸な自分にも、彼女の言葉や体験から学ぶところもあるのではないか?
……いや。
そういうことはさて措いても、本として、この本は面白い。それでいい。

後半の、ご主人とのエピソードも興味深かった。
配偶者が自分の一番のファン(味方)って、あこがれる。

とまれ。
これだから読書はやめられない。

| | コメント (0)

2008年10月19日 (日)

手が届かなくても

Matsubabotan横光利一の短編を読んだ。
何と言うか……無心に感動した。

もともと横光利一のことは、堀辰雄と並んですごく好きな作家なのだが、久々にその文章を読んだらば、自分のほうがペンを投げ出したくなるくらいに響いてしまった。

そう。
ああいうものが書けたらいい。
すばらしい文章。すばらしい構成力。しかもわざとらしくない。

作品中では劇的なことは何も起こっていないのに、物語の最初と最後では明らかに変容しているものがある。

私も、そういうのにあこがれて書いているのだ。
たとえ手が届かなくても。

| | コメント (2)